歯学部と薬学部の違いとは
歯学部入試を考えている人の中には、薬学部も候補としている人もいるでしょう。医療に携わる仕事を目指したいけれど、どちらにしようか悩んでいる…と将来を見据えてどちらを選ぶべきか迷っている人もいるはずです。
ここでは歯学部と薬学部にはどのような違いがあるのか、学ぶ内容・取得可能な資格・目指す仕事の3つの項目で違いを見ていきます。どのように医療に携わっていきたいかによって、進むべき道を見つけましょう。
歯学部と薬学部の違い:学ぶ内容
歯学部と薬学部では、学ぶ内容に大きな違いがあります。
歯学部の場合は、口腔・顎・顔などの外傷や疾患の症状、そしてその原因についての知識を始めとして、予防・診断・治療方法などを学びます。一方で薬学部では、医薬品の使い方と効能、そして医薬品情報と管理という薬の知識を習得します。
歯学部も薬学部も、実際に専門的な知識を身に付ける授業が始まるのは、3年生に入ってからです。1-2年の間は幅広い教養を身につけることを目的として、外国語や自然科学、社会科学といったことを学びます。
また学部ごとの教育課程は全国共通で、1-2年次に行われる早期体験学習、5.6年次に行われる臨床実習などは、どの大学でも学習する内容はほとんど同じです。
歯学部と薬学部の違い:取得可能な資格
歯学部と薬学部では学ぶ目的や学ぶ内容が異なるため、取得可能な資格も異なります。
歯学部の場合、6年間の教育を受けてから歯科医師免許資格の取得が可能です。歯科医師免許資格を取得すると、無試験・無講習で食品衛生責任者・衛生検査技師・衛生管理者という資格も付与されます。また歯科医師免許資格を取得した後、有試験にはなるものの、臨床検査技師・労働衛生コンサルタント・介護支援専門員というような資格の取得も可能です。
薬学部の場合は、6年間の教育を受けて卒業した後に、薬剤師国家試験の受験が可能になり、薬剤師免許が取得できます。
歯学部と薬学部の違い:将来目指す仕事
歯学部に入学後、将来目指す仕事として最も多くの割合を占めるのは「歯科医師」です。歯科医師国家試験に合格し、免許を取得してから臨床経験を1年以上修了すると、歯科医師として働くことができます。
それ以外にも、歯科の治療にかかわる材料・新たな治療法・病気の解明など歯や口腔を研究する研究機関、高齢者の入れ歯の調整や虫歯の治療などの口腔機能管理を仕事とする介護施設で働く人もいれば、医系技官や歯科医官などの公務員になるという将来もあります。
では薬学部はどうかというと、薬剤師国家試験に合格後、多くの人や薬剤師への道を選びます。薬剤師は薬局・ドラッグストア・病院など就職先もさまざまです。また製薬会社で情報提供職や新薬の研究開発の仕事に就く人もいます。他にも、食品会社や化粧品会社で商品開発をするという仕事もあります。
歯学部といえば歯科医師、薬学部といえば薬剤師というイメージがありますが、実はどちらの学部も想像以上にさまざまな道が広がっています。こんな仕事がしてみたい…という理想とする将来がある人は、目指せる仕事で学部を選んでみましょう。