歯学部の留年率は何%か
留年が多いとも耳にする歯学部、実際どのくらいの確率で留年しているのでしょうか。留年すれば学費も余計にかかり、国家試験合格も遠のきます。心が折れて歯科医師を挫折してしまうかもしれません。
大学によって違いはありますが、3年以上同じ学年を留年すれば退学というルールもあります。12年間通学して高額な授業料を払い続け、挙句に退学なんていう最悪のシナリオは避けたいものですね。では各大学の留年率や留年している理由を見てみましょう。
留年が日常化していると
言われる私立歯学部
文部科学省が行った令和元年度の調査をもとに、私立歯学部の留年・休学者の少ない順に並べたランキングは下記のとおりです。
- 1位 大阪歯科大学歯学部 13.4%
- 2位 昭和大学歯学部 14.0%
- 3位 東京歯科大学歯学部 15.2%
- 4位 明海大学歯学部 19.0%
- 5位 日本歯科大学生命歯学部 19.3%
- 以下、19.4~36.8%
上位の大学ほど留年・休学者が少なく、進級率が高い大学です。留年率は10%台から30%台後半とかなり開きがあります。学年別に見るとさらに1%台から50%台とさらに大きな違いが見られます。
- 1年次 1.5~16.7%
- 2年次 6.5~33.9%
- 3年次 7.8~44.0%
- 4年次 11.9~45.0%
- 5年次 10.0~37.6%
- 6年次 22.1~54.0%
学年が上がることに留年率が高くなっていて、6年次になるとほとんどが30%を超えています。これは異常事態ともいえるのではないでしょうか。30~40%の留年率では、留年する人が当たり前のようにいて「皆、留年するし」と緊張感も無くなってしまうでしょう。
※参照元:文部科学省(PDF)https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/10/08/1325992_005.pdf
留年している理由と対策に
ついて
留年する理由は、講義の内容が難しくて授業についていけない、学内試験が厳しくて単位を取るのが難しいなど、学業に関することが多いそうです。歯学部の勉強は範囲が広く、やみくもに勉強しても結果につながらないことも。学内試験は過去問や資料も重要で、楽できるものと苦労を強いられるものがあるといわれています。
そこで学生は友人知人のネットワークを駆使して良い情報や資料を集めるのです。たくさんの情報をすべて活用するのではなく、自分にとって必要なものだけを使い、効率良く勉強することも大切です。留年せず仲の良い友人と一緒の学年でいたいという思いが原動力となって勉強する力に結びつく学生もいます。
まとめ
私立歯学部の留年率は一般的な大学と比べると高めです。授業や学内試験が難しく、学年が上がるごとに高まる傾向が見られます。留年率は、その大学で留年が当たり前となっていないか見極めることに役立ちます。本人の努力も大切ですが、周囲の環境も重要です。留年が当たり前という環境に流されては学費もかかり、国家試験の合格も遠のいてしまいます。