歯学部の就職先と就職率について
歯学部の学生は企業に就職することが少ないため、一般的な学生とは違い、就職といっても特殊な面があります。そもそも「歯学部の就活って何?」と疑問に感じている就活生も多いのではないでしょうか。実際に卒業後に歯学部学生がどんな仕事に就いているのか、就職率と併せて見てみましょう。
就職先を見るときの注意点
歯科医師として診療をおこなうためには、国家試験合格後に厚生労働省が指定した病院や診療所で1年以上の臨床研修を受けることが義務づけられています。その臨床研修先を決めることが、歯学部生にとっての就活ともいえるようです。
大学によっては臨床研修後の進路を就職先としているところもあるので、大学が公表している就職先を見る時は臨床研修先なのか、その後の就職先なのかを確認しましょう。
歯学部学生の就職率
全国547大学を対象とした「学部別就職率のデータ」によると、看護・保健・医療分野の学生は2017年から2020年の4年間すべて92%以上の就職率となっています。歯学部のデータではありませんが、医療分野の国家資格を持つ学部は就活で苦戦していないと考えてもいいでしょう。
※参照元:大学通信オンライン https://univ-online.com/article/career/14132/
歯学部学生の主な就職先
歯学部生のほとんどは、大学病院やクリニックなどの医療機関で歯科医師として働きます。勤務医としてある程度の経験を積んだ後、自ら開業するか、実家の診療所を継ぐなどして開業医として働く人も多いです。医療業界での就職先は大学病院や国公立病院、一般病院、歯科診療所(クリニック)などがあります。
新たな治療法などを開発研究することに興味がある人は、研究医として大学などの研究機関に就職します。研究内容によっては出身大学ではなく、他大学に就職することも。他に、官民の研究所や一般企業で歯科医療機器などの開発に携わる人もいます。
近年では、介護福祉業界へ就職する人もいるそうです。介護老人保健施設(老健)や介護施設で利用者がしっかり食事を摂取し自立生活ができるよう、入れ歯の調整やむし歯の治療など、専門的な口腔機能管理が仕事。訪問歯科診療に携わり、歯科医院への通院が難しい高齢者などの自宅や介護施設を訪問して治療を行うこともあります。
少数ですが、医療技官や歯科医官として厚生労働省や自衛隊、地方公務員などの仕事に就く人もいます。
まとめ
歯科医師国家試験に合格し、その後1年以上の臨床研修を終えれば、ほとんどの学生は就職などして仕事に困ることはないようです。病院やクリニック、研究機関、公務員など従来の就職先の他、高齢化社会など大きな社会変化により、以前にはなかった介護福祉関連などで歯科医師として活躍する人も出てきており、歯科医師の活躍の場は広がっています。