歯学部の倍率ランキング
受験生が気になる数値のひとつが「倍率」です。よく聞く言葉ですが、「なんとなく数字が大きいと難しそう」という漠然としたイメージでとらえてしまっている受験生は少なくありません。ここでは、大学入試における「倍率」「合格率」の意味を解説します。
まず、歯学部歯学科入試競争率推移を確認しておきましょう。
| 大学名 | 令和4年度倍率 | 令和5年度倍率 | 令和6年度倍率 |
|---|---|---|---|
| 北海道大学 | 3.02 | 3.30 | 2.77 |
| 東北大学 | 1.73 | 3.09 | 2.45 |
| 東京医科歯科大学 | 2.72 | 2.51 | 2.81 |
| 新潟大学 | 4.11 | 2.96 | 4.15 |
| 大阪大学 | 2.27 | 2.04 | 2.31 |
| 岡山大学 | 2.83 | 2.25 | 2.19 |
| 広島大学 | 5.48 | 3.64 | 3.90 |
| 徳島大学 | 4.33 | 5.10 | 2.41 |
| 九州大学 | 2.85 | 2.58 | 2.92 |
| 長崎大学 | 4.33 | 4.25 | 3.07 |
| 鹿児島大学 | 2.61 | 2.03 | 2.77 |
| 九州歯科大学 | 4.87 | 2.75 | 3.46 |
| 北海道医療大学 | 2.15 | 1.20 | 1.11 |
| 岩手医科大学 | 1.57 | 1.02 | 1.05 |
| 奥羽大学 | 1.76 | 1.34 | 1.04 |
| 明海大学 | 2.26 | 1.09 | 1.01 |
| 東京歯科大学 | 2.89 | 2.21 | 1.88 |
| 昭和大学 | 3.90 | 2.45 | 2.52 |
| 日本大学 | 2.12 | 1.63 | 2.04 |
| 日本大学松戸歯学部 | 2.22 | 1.16 | 1.04 |
| 日本歯科大学 | 3.51 | 2.09 | 1.77 |
| 日本歯科大学新潟生命歯学部 | 1.79 | 1.18 | 1.15 |
| 神奈川歯科大学 | 2.46 | 1.03 | 1.08 |
| 鶴見大学 | 3.66 | 1.17 | 1.03 |
| 松本歯科大学 | 1.05 | 1.02 | 1.08 |
| 朝日大学 | 1.78 | 1.04 | 1.02 |
| 愛知学院大学 | 2.39 | 1.36 | 1.66 |
| 大阪歯科大学 | 1.55 | 2.25 | 2.09 |
| 福岡歯科大学 | 1.98 | 1.16 | 1.01 |
引用元:文部科学省_歯学部歯学科入試結果(https://www.mext.go.jp/content/20241220-mxt-igaku-100001063_5.pdf)
大学入試における倍率とは
大学入試に挑む際、どうしても気になるのが「倍率」でしょう。中には、倍率が高くて諦めそうになる人もいるかもしれません。しかし、倍率と合格しやすさは全くの別物。倍率は参考程度に考えておくと良いでしょう。
そもそも、大学入試の倍率とはどのような数字でしょうか?
大学入試における倍率には、募集者数に対する受験志願者数を示す志願倍率と、合格者数に対する受験者数を示す実質倍率の2種類があります。それぞれがどのような数字なのか、詳しく解説します。
志願倍率
志願倍率は、募集人数に対する受験志願者数です。「志願者数÷募集人員」で算出します。定員50人に対して200名の志願者がいれば、志願倍率は4倍です。
倍率を見て驚く場合、この志願倍率を見ている可能性があります。しかし志願倍率は、志願者数で算出した簡易的な数値でしかありません。受験しない人も多いため、実際の倍率は下がることがほとんどです。あくまでも、受験前に志望者数がどの程度いるかをはかる目安の数値として参照すれば十分でしょう。
実質倍率
実質倍率は、合格者数に対する受験者数です。「受験者数÷合格者数」で算出します。合格者が60人で実際に受験した人が150人だった場合、実質倍率は2.5倍です。
実質倍率は実際の入試の結果を反映した数値のため、信頼度の高い数値と言えます。ただし、実質倍率が分かるのは、入試が終わってからです。倍率は年によって変化するため、その年の実質倍率を受験前に知ることはできません。
注意したいのは、募集人数と合格者数は異なるということです。受験生は複数の大学を受験する人が少なくありません。志望校と滑り止めで受験した大学のどちらも合格した場合、ほとんどの受験生は志望校に行くでしょう。そのため、多くの大学は募集人数に水増しして合格者数を決めています。こうした理由から、実質倍率は志願倍率に比べるとかなり低くなる傾向があります。
倍率と合格率の関係
ここまで解説した通り、倍率には「志願倍率」と「実質倍率」の2種類があります。このうち合格率と同じ意味を持つのは、実質倍率です。ただし、合格率と言った場合には、実質倍率とは計算式が逆になります。合格率は、受験者数に対する合格者の割合です。「(合格者数÷受験者数)×100)」で算出します。
「合格者が60人で実際に受験した人が150人」というケースでは、実質倍率は2.5倍ですが、合格率は、40%です。実質倍率は高いほど競争率が高い、合格率は高いほど競争率が低いと考えられます。
「合格率を知りたい」という気持ちは受験生なら誰しもがもっていることでしょう。しかし、残念ながら実質倍率も合格率も、受験前に知ることはできません。
参照できる倍率は、昨年までの数値です。今年も同じ数値になるかどうかは分かりません。しかし、年度によって大きな差がなければ、今回も似た数値になる可能性はあるので、参考として見ておきましょう。
倍率や合格率は、自分が合格できる確率ではありません。実際の受験では、合格ラインを上回っていれば合格できます。もちろん、合格者数に対して受験者が多いということは、それだけ合格ラインも上がるということです。倍率や合格率の数値は難易度の目安程度と認識し、倍率や合格率でモチベーションが影響を受けないように注意しましょう。
倍率データから読み解く歯学部入試の傾向と対策
先ほど確認した倍率の推移データや、近年の一般的な入試傾向を踏まえ、受験生が知っておくべきポイントを解説します。数字の表面だけを見るのではなく、その背景にある傾向を理解しておきましょう。
国公立と私立で二極化する傾向
倍率一覧表を見ると、国公立はおおむね2倍以上のケースが多く、大学・日程で幅があります。
一方で私立大学に目を向けると、高い倍率を維持している大学がある一方で、1.0倍〜1.1倍台という数字が並ぶ大学も少なくありません。ただし、私立でも方式・日程によっては高倍率になる大学があります。歯学部入試においては、「人気のある大学」と「入りやすい大学」の二極化が進んでいる現状が見て取れます。志望校がどの層に位置しているのかを把握して対策を練ることが大切です。
「隔年現象」による数値の変動に注意
倍率を見る際に知っておきたいのが「隔年現象」と呼ばれる動きです。ある年の倍率が高かった大学は、翌年に「難しそうだ」と敬遠されて受験者が減り、倍率が下がることがあります。逆に、倍率が下がった翌年は「狙い目だ」と受験生が殺到し、再び倍率が上がることがあります。
そのため、昨年の倍率だけを見て「低いから安心」「高いから無理」と判断するのは早計です。過去3年分程度の推移を見て、上昇傾向にあるのか、隔年で上下しているのかを確認することをおすすめします。
倍率1.0倍台でも「全員合格」とは限らない
倍率が1.0倍に近い、あるいは定員割れを起こしている場合、「受ければ受かる」と思いがちですが、ここには落とし穴があります。
特に医療系学部である歯学部では、入学後の学習についてこられないと判断された場合、定員に満たなくても不合格にする基準点(足切り)を設けている大学があります。「倍率が低い=楽に入れる」ではなく、「入学後に国家試験合格を目指せるだけの実力が求められる」と捉え、気を引き締めて挑む必要があります。
倍率よりも「合格最低点」を意識する
合否を決めるのは固定の倍率ではなく、当日の得点分布の中で合格圏に入れるかです。たとえ倍率が高くても、合格最低点を上回れば合格します。逆に倍率が低くても、自分の点数が足りなければ不合格になります。
倍率は出願先を決める際の参考情報の一つに過ぎません。倍率に一喜一憂して勉強の手を止めることなく、志望校の過去問に取り組み、合格最低点を確実に超える実力をつけることこそが、合格への一番の近道です。
入試方法によっても倍率は変化する
同じ大学の同じ学部でも、「一般入試」や「推薦入試」など、異なる入試方法を設けていることがあります。この場合、一般入試で何名、推薦入試で何名といった入試方法ごとの定員数を設けるのが一般的です。同じ大学・同じ学部でも、入試方法によって倍率は異なります。倍率を参照する際は、入試方法もあわせて確認してください。