歯学部入試の集団討論について
歯学部入試では「集団討論」と呼ばれる試験があります。討論をどのようにすれば良いのか悩んでいる方は、その特徴と注意点を知っておきましょう。ここでは、大学の歯学部入試における集団討論について、詳しく解説します。
歯学部入試の集団討論とは?
二次試験における科目のひとつ
歯学部入試では、二次試験のひとつとして集団討論を実施することがあります。グループディスカッションとも呼ばれます。
受験生が何人かのグループに分かれ、提示されたテーマについて理論的に話し合う試験です。試験時間は15~20分程度で、4~6人に分かれて行われることが多いようです。開始数分でテーマについての考えをまとめ、その後、制限時間内で討論します。
集団討論の目的
歯学部入試における集団討論の目的は下記のとおりです。
- 討論における他者との関わりを見る
- 意見の主張の仕方を見る
- 論理的思考ができるかを精査する
「討論」というと意見を主張することが目的であると感じられるかもしれません。しかし、大学の歯学部入試における集団討論では、議論における勝ち負けは重要ではなく、むしろ論破しようとする姿勢はマイナスになる傾向があります。
重視されるのは討論において他者と協力しようとする姿勢が見られるか、自分の意見を主張しすぎていないか、論理的な意見を述べられているかなどです。
歯学部入試の集団討論に対する評価方法
アドミッション・ポリシー(入学者を受け入れるための基本的な方針)に適合すること
集団討論の評価のひとつは、「大学のアドミッション・ポリシーに適合する生徒であるか」です。大学側は、大学が求めている人物像に近い学生を入学させたいと考えています。
普段の考え方や性格が現れやすい集団討論という試験によって、大学のアドミッション・ポリシーに適合する人物を選抜したいという考えです。
協調性があるか否か
討論する場においては、自分自身の意見を強く主張したり、他人の意見を受け入れられなかったりする人がいるものです。しかし歯学部入試の集団討論においては、意見を貫くことよりも協調性が重視される傾向があります。
集団討論試験では、勝ち負けではなく、その過程におけるコミュニケーション能力が評価の対象となります。
グループ全体の討論においては、討論を深めるための能力があるか、他の受験生の意見をしっかりと聞いて配慮できるかなどが評価対象です。
論理的思考ができるかどうか
集団討論の場で、医師にとって重要となるのが「論理的思考力」です。集団討論の試験官は、受験生の能力として、テーマに対して問題点を洗い出し解決策を見出す力、論理的思考力などをチェックしています。
討論中に感情的になってはいけません。発言の内容がそのときどきによって食い違ってもマイナスです。論理的に一貫した主張ができることも合格の条件として重要になるでしょう。
歯学部入試の集団討論におけるポイント
試験対策として練習する
歯学部の受験では、集団討論の事前練習が欠かせません。医師としての適性は学力だけでははかれず、面接や集団討論により判断されるためです。
日頃から論理的な思考力を身に付けられるように心がけ、同じく歯学部を目指す学生らと練習してください。
普段からニュースや新聞をチェックする
討論することで、社会的な基礎知識や常識を身に付けているかが明らかになります。普段からニュースや新聞をチェックして、時事情報を学んでおくと討論しやすくなるものです。
テーマを把握する
歯学部入試の集団討論では、テーマを把握することが基本中の基本です。テーマの傾向は「賛否が分かれること」「課題解決のためのこと」「解答がないこと」の3つに分かれることが多いようです。
賛否が分かれるテーマでは終着地点を目指し、課題解決であれば解決策を考えてください。解答がないテーマに対しては、討論を深めることで評価が高まります。