歯学部の歯学科と口腔保健学科の違い
歯学部を受験するにあたって、知っておきたいのが歯学科と口腔保健学科の違いです。目標によって、どちらの学科を選択するべきかが異なります。ここでは歯学科と口腔保健学科それぞれの特徴を詳しく紹介します。
歯学科
学ぶこと
歯学科で学ぶことは、歯科医師になるための知識や技術です。生理学や病理学、細菌学というような幅広い分野に関しての学びはもちろんのこと、歯学という専門的な知識を要する内容である歯列矯正や虫歯、歯周病の予防歯科学、解剖学など口腔に関する分野の知識も、歯学科で学びます。
一般的には1~2年次に歯科医師としての教養を身につけることを目的とした内容を学び、3年次から実際に歯学に関する専門的な科目を履修します。
具体的な内容は以下の通りです。
- 1~2年次:人文科学、社会科学、自然科学、外国語、歯学入門など
- 3年次~:歯学基礎科目(口腔解剖学、口腔生理学、口腔細菌学、歯科薬理学、歯科理工学など)、歯学臨床科目(歯科保存学、口腔外科学、歯科矯正学、口腔治療学、歯科麻酔学、歯科放射線学など)
取得可能免許
歯学部を修了したら、歯科医師国家試験の受験資格が与えられます。歯学科で学ぶ人は臨床医を目指すケースが多いため、ほとんどの人が歯科医師国家試験を受験します。
ただし国家試験の受験資格が与えられるのみなので、試験対策は必須です。
将来就ける職業
歯学科を卒業した後、就ける職業は「歯科医師」です。歯学科で学ぶ人のほとんどは臨床医を目指しており、歯学科で学んだあとに歯科医師国家試験を受験し、歯科医師としての道を歩むケースが多いです。
ただし歯科医師国家試験に合格し、さらに希望する就職先の面接や試験に合格することは必須条件です。
就職先
歯学部歯学科の就職先は、主に歯科医院です。診療所とも呼ばれており、一般的な歯科治療をメインとして行います。ただし実際の臨床医として活躍するためには1年間の臨床経験を必要とするため、まずは研修医として1年間経験を積んだのち、歯科医師として働きます。
また同じく歯科医師としての道を歩むものの、違ったパターンもあります。診療所ではなく病院も、就職先の1つです。臨床研修を行った大学付属病院で、修了後もそのまま歯科医師として働く、というケースです。
他にも、研究機関で研究者として勤務したり、一般企業で企業内の歯科医師になったり、公務員になったりすることもできます。
口腔保健学科
学ぶこと
口腔保健学科で学ぶことは、歯科衛生士になるための知識や技術です。口腔保健の基礎実習を中心として、歯科予防処置や歯科保健指導、さらに歯科診療補助といった歯科衛生士が行う3大業務に関する知識を身につけます。また患者さんと接する際に必要になる知識や技術、そしてコミュニケーションスキルについても学びます。
取得可能免許
口腔保健学科を修了すると、歯科衛生士国家試験受験資格が取得できます。また、養護教諭一種免許状の取得も可能です。口腔保健学科を修了後、多くの人が歯科衛生士国家試験を受験し、歯科衛生士としての道を目指します。
将来就ける職業
口腔保健学科を卒業した後、就ける職業は「歯科衛生士」もしくは「養護教諭」です。多くの人が歯科衛生士を目指します。
就職先
口腔保健学科の就職先は、一般的には歯科医院や大学病院で歯科衛生士として働くというケースが多いです。一方で養護教諭や医療関連会社や食品会社といった一般企業、口腔保健医療に関する行政での勤務など、他にもさまざまな道があります。歯学科よりも、幅広い就職先が用意されています。