学費を大きく左右する歯学部のストレート合格率とは
歯学部大学を選ぶ際いろいろな情報を得て比較検討しますが、特に国家試験の合格率には注目するのではないでしょうか。合格率にはストレート合格率というものがあります。この記事では、ストレート合格率とはどんな合格率を表しているのか、なぜ注目するのかを解説していきます。
一般的な合格率とストレート合格率の違いとは?
一般的な合格率は厚生労働省が発表する、その時の国家試験受験者のデータです。そこには留年して国家試験を受験している学生も含まれています。ストレート合格率は文部科学省が出す、6年間留年せずにストレートで大学を卒業し、国家試験に合格している割合です。
歯学部の国家試験が難しく
なった背景
歯学部は進級制度が厳しく、単位が取得できなければ留年の可能性があります。厳しいのは医療を学ぶという理由だけでなく、難易度の高い国家試験に合格させるためという理由も考えられます。国家試験が難しくなった背景は、国が歯科医師抑制策を実施したことです。歯科医師過剰により国が新規参入の削減を検討し、歯学部の入学定員の削減を掲げましたが目標は完遂されませんでした。
そこで入り口がダメなら出口を調整しようと、厚生労働省が国家試験難化を進め、合格率が7割を切る難易度となったのです。これは学生側から見ると、学費に直結する問題でもあり、進級や国家試験が難しくなり留年した年数だけ授業料が高くなってしまいます。
国家試験合格率を見る時に
注意すること
大学を選ぶ時に国家試験の合格率を見ますが、大学側からすると合格率が低くては学生が集まらなくなってしまいます。そこで、6年生を卒業試験でふるいにかけて国家試験受験者を絞り、合格率を高くみせようとする苦肉の策を用いるケースもあるそうです。入学定員を減らしても留年で在籍学生数を確保しているので「留年商法」と揶揄されることもあります。
大学が示している国家試験合格率を見るときは、留年して受験している学生が含まれていないか注意して見ることが大切です。
ストレート合格率に注目してわかること
ストレート合格率が高いということは、留年せずに国家試験に合格している学生が多いということです。大学によっては学費が安くても留年率が高くて、結局学費が多くかかったということにもなりかねません。留年しないということは、6年間分の学費だけで済み、学費負担が軽くなります。また、留年しないということは留年しない環境、教育体制が整っている大学だともいえるでしょう。
合格率を見ただけでは留年して受験する人が含まれているため、合格するまでに何年で歯学部を卒業したのかわかりません。留年しないで6年間で卒業して国家試験を合格した割合を示しているストレート合格率が高ければ、環境や教育制度が整っており留年しづらい大学と判断できます。
まとめ
6年間の学費で済むのか、それ以上学費がかかってしまうのか、学生本人のがんばり次第はもちろん、大学自体の教育体制が整っていることも重要です。そのため大学を選ぶ際には、ぜひストレート合格率にも注目してみましょう。