入学後にやめたい…歯学部あるあるまとめ
「勉強についていけない」「友達や先生とうまくいかない」など、せっかく入った歯学部をやめたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
文部科学省によると大学を中退した人数(歯学部だけではなくすべての大学)は2019年は28,647人、 2020年は36,016人とあります。学生数に占める割合はそれぞれ2019年は1.22%、2020年は0.97%と減少していますが、人数を見ると少ないとはいえない数です。コロナによる社会変化などの影響も考えられますが、主な理由は「経済的困窮」「学生生活不適応・修学意欲低下」となっています。
ここでは、歯学部の学生がどんな理由でやめたいと思っているのか、やめることのメリット・デメリットと併せて見てみましょう。
※参照元:文部科学省(PDF) https://www.mext.go.jp/content/20210216-mxt_kouhou01-000007001-1.pdf
歯学部を辞めたいと思う
よくある理由とは?
勉強が難しくてついていけない
歯学部の勉強は学年が進むにつれ、勉強内容が専門的になり難しくなってきます。授業内容が理解できず、勉強についていけないと感じることがやめたいという思いにつながることがあるようです。
学びたいと思っていたこと
とのズレ
自分が学びたいと思っていたことと、実際の講義内容にズレを感じて不満や悩みが出てくることがあります。オンライン授業が増えたことも一因となっているようで、オンラインでは質問がしづらかったり、自宅で集中できなかったりするため悩みを抱えるようになり、やめたい理由となることもあるようです。
人間関係が原因
友達ができない、先生方とうまくいかないというのが理由です。地方から上京した場合、学年によって校舎が変わった場合などの環境変化が大きなストレスをもたらすこともあります。コロナの影響でほとんど登校することがなく、人間関係を築きにくいといった問題も考えられます。
心境の変化による進路変更
歯学部で勉強を始めてみたものの、別の資格に挑戦したくなった、海外に興味が出てきたなど、心境に変化が生じてやめたいと思う場合があります。他の勉強をするために別の大学や専門大学に編入するのでやめる、家業を継ぐためにやめるという学生がいます。
家庭環境の変化、経済的理由
家庭環境が変化して通学が困難になったり、学費が払えなくなったりして、大学をやめることがあります。長引く経済的不況や2020年から猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響で、両親の収入の低下あるいは自身のアルバイト収入の減少などが理由で通学が困難になる学生が多くなっているようです。
大学をやめることの
メリット・デメリット
メリット
まず考えられるのは悩みから解放されるということでしょう。悩みがなくなれば療養に専念できるなど、時間を自由に使えるようになります。悩みから解放されることで気持ちが安定し、モチベーションが上がり、前向きに考えられるようになるといった良い変化が得られることも。他にやりたいことがあった場合は集中して時間を費やすことができます。
デメリット
大学をやめて落ち着き、余裕ができて周りの状況が見えてくると、周りと比べて自分が劣っているのではないかと感じ、劣等感に苛まれることがあるようです。
大学をやめたということは、最終学歴が高卒と同じ扱いになります。就職活動は大学のサポートがないので自力で行わなければなりません。希望する企業や職種が大卒を条件としていれば、就職先が限られてしまうことにもなります。就職できたとしても高卒は大卒より基本給が低く設定されています。
奨学金を借りて大学に通っていた場合は、中退後間もなく返済が始まることもあります。支払いに苦労することもあるので、奨学金関連の手続きや受けられる措置などは事前に確認しておきましょう。
歯学部を辞める以外の解決策
信頼できる誰かに相談する
やめるという決断をする前に親や友人、先輩など信頼できる人に悩みを話してみましょう。学生指導をする担任制やチューター制を取り入れている大学が増えているので、近しい人に話すのがためらわれる場合は、それらを利用して相談してみるのもおすすめです。
チャレンジするのは在学中に
他にやりたいことがあったとしても安易に大学をやめてしまうのはおすすめできません。在学中に挑戦して、できないかどうか検討してみましょう。もし失敗したとしても学生に戻ることができ、大卒という肩書を失わずに済みます。
留年する
単位が足りなくて進級できない、卒業できないといった場合は、留年という選択をして進級・卒業を目指すのもひとつの方法です。
休学する
大学に行きたいけれど、どうしても行けない状況・事情があるといった場合は休学制度を利用するという手があります。たっぷり休息して、心身が回復してから大学をやめるかどうか決断しても遅いということはないでしょう。
経済的な問題は利用できる制度がないか探してみる
学費を払うのが難しくなったなど経済的な悩みであれば、奨学金や教育ローンなど減免・免除してもらえる制度がないか確認してみましょう。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した経済的対応をしている大学もあるようです。
大学以外の友達を作る
地方から出てきて大学に馴染めない、オンライン授業ばかりなので大学で友達ができないなど、大学の人間関係で悩むことも多いようです。そういった場合はアルバイトや習い事など大学以外の場所で友達を作り、いろいろな人と付き合うことで多様な価値観に触れることで「やめる」という以外の選択肢が見つかるかもしれません。
まとめ
大学をやめたいと思う理由は人それぞれです。やめるという決断をする前にもう一度、本当に歯科医師を諦めていいのか落ち着いた状態で考えてみましょう。ほんの少しでも歯科医師になりたいという気持ちがあるのなら、安易に大学をやめることはおすすめできません。